2月に、広島県尾道市周辺へ行ってきました。
広島旅〜!
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) February 20, 2023
✔️尾道
✔️しまなみ海道🚲
✔️鞆の浦
✔️竹原
まちをフラフラ歩くのがすごく楽しかった#一人旅 pic.twitter.com/y8IRmYjopN
今回の旅程はざっくり;
という感じ。
広島県東部をめぐる、4泊5日のひとり旅。
きょうは4日目の記録。
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4日目:鞆の浦散策
起床、朝食。
前日にネコノテパン工場で買ったパンと、新開エリアの一楽で買ったちまき。
前夜、あなごのねどこのリビングのこたつで本を読んでいる時に声を掛けてくれた、台湾からの留学生リンちゃんと一緒に食べた。
リンちゃん、日本の文化財の勉強をしている大学生で、日本の文化のことをものすごくいろいろよく知ってて、おしゃべりするのがホントたのしかった。
前の晩は、気がついたら23時半過ぎてたよ。
リンちゃんは、この日も尾道で文化財の研究のおてつだいとのこと。
わが家の息子と娘のちょうど真ん中の年齢。
しっかりしてるなあ。
水筒にお茶をいれて、出発!
09:04 山陽本線で尾道から福山へ
この日も、前日に続いて雨だけど、午後からは晴れマークが出ている。
「ほんとだろうな!?」と半信半疑ながら、鞆の浦へ向かう。
尾道駅から在来線に乗ってしばらく行くと、尾道大橋の下をくぐった。
前日までいろんな場所から眺めてきた尾道水道の景色から、外に出ていく感じがする。
20分ほどで、福山駅に到着。
福山城って駅の目の前なんだね!
リンちゃんが「雨だったら福山城のとなりにある広島県立歴史博物館に行くのもすごく面白いと思いますよー!」とおススメしてくれていたけれど、まずは鞆の浦まで行ってみよう。
09:30 福山からトモテツバスで鞆港へ
駅前ロータリーで、鞆港行きのバスに乗車。
30分ほどで終点の鞆港に到着。
さすがに、傘をささないと歩けないぐらいに降っている雨。
うーん…。
10:30 鞆の浦歴史民俗資料館
午後から晴れるという予報を信じて、雨の間は資料館的な所を巡ってみることにする。
時期的なものか、館内には様々な時代のひな人形がたくさん飾られていた。
鞆の浦で昔からつくられ、福山藩御用達で幕府へ献上されていたという「保命酒」についての展示も。
保命酒の生みの親となったのが、大阪の医師・中村吉兵衞。すでに醸造業が栄えていた鞆の浦のお酒と、吉兵衞の漢方の知識が合わさって、保命酒は生まれました。やがて保命酒は、江戸幕府より備後の特産品として庇護され、全国に知れわたるようになります。
(略)
幕府の庇護を受けたことで、保命酒は高級品とされるようになりました。幕末、アメリカからペリー提督がやって来た際にも保命酒がふるまわれたと記録されています。明治時代にはパリの国際万博に出展されるなど、保命酒は国内のみならず海外にも名を轟かすようになりました。そんな中、保命酒の類似品を製造する業者が現れたことにより、保命酒は中村家の専売特許として認められ、以降、保命酒のレシピは門外不出となったのです。
(略)
現在、保命酒は広島県福山市鞆町にある4つの保命酒屋でしかつくられていません。「入江豊三郎本店」「岡本亀太郎本店」「八田保命酒舗」「鞆酒造」の4社は、小さな港町・鞆の浦の伝統を守るべく、また、鞆の浦だけでなく広島を代表する名産品として、保命酒づくりに励んでいるのです。
鞆物語HPより引用
これもリンちゃんが「鞆の浦へ行ったらぜひ試飲してみてください」って言ってたな。
了解!
見学が終わって外へ出ると、まだまだ雨が降っていた。
どんより。
『春の海』が有名すぎる、筝曲家宮城道雄氏の像。
鞆の浦で幼少期を過ごしたそうで、『春の海』も8歳で失明する前に見ていたここ鞆の浦の海を原風景としているだろうとのこと。
知らなかった。
さて、まだまだ雨が降っているけど、適当に歩きながら港へ向かってみようかな。
11:30 南禅寺
鞆の浦のまちでは、あちこちにひな人形が飾られていた。
まち全体でまいとしひな人形を飾っているらしい。
南禅坊。
中には5メートルほどの大きな大仏様が座していらっしゃって、なかなか立派なお寺。
11:50 太田家住宅
最初に訪れた鞆の浦歴史民俗資料館で、『鞆の浦史跡めぐりクーポン』を購入していた。
クーポンで巡れる4館(鞆の浦歴史民俗資料館、太田家住宅、いろは丸展示館、福禅寺対潮楼)を見学している間に、雨が止むといいなーと思って。
クーポンで巡れる施設の2つ目、太田家住宅。
保命酒を作った中村氏が拡張・増築していった建物だそうで、大きな蔵が立ち並ぶ様子がなかなか圧巻。
保命酒のレシピは一子相伝だったそうで、中村氏が途絶えた後に、働いていた人がそれぞれ「こんな感じだった」と再現して作り始めたのが、いま鞆の浦に存在する4軒の保命酒蔵とのこと。
おもしろいね。
見学が終わって出口付近に立っていたガイドさんに、このあたりでお昼を食べられるところを尋ねてみる。
「常夜燈の手前にうどん屋さんと、あとはジブリの宮崎駿監督がプロデュースした、鯛茶漬けが食べられるお店が人気ですが…」
???ジブリの宮崎駿監督がプロデュース…???
「はい、あの、鞆の浦は『崖の上のポニョ』のモデルとなっておりますので…」
ポ…ポニョ………???
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) February 19, 2023
し、知らなかった…。
宮崎駿監督やポニョはともかく、わたしは鯛茶漬けを食べたい!
そこに行ってみます!
12:15 御船宿いろはでいろは御膳ランチ
教えてもらった御船宿いろはへ行ってみた。
へー、なるほど。
さっきのガイドさんは「混んでいると思うのですっと入れるかどうかわからないのですけど…」と心配していたけど、ひとり待つだけですぐに座れた。
いろは御膳(1,980円)。
酒や昆布に漬け込んで寝かせた鯛のお刺身を、最初はわさび醤油で、次は鯛味噌と薬味とうずら卵で、最後はごはんに載せてあたたかい出汁をかけて。
これうまーーーーーい!!!
鯛はもちろん、お重に入った小鉢やだし巻き卵、おひつにいっぱいにして出してくれる炊き立てごはんもものすごくおいしかった。
お店の中で見たパンフレットには、
「ジブリの鈴木敏夫さんから鞆の浦に対して、”しばらく宮崎監督を鞆の浦であずかってもらえないか”という依頼があり、山の中腹にある明治時代の洋館に投宿してもらっていた。そのころ、この建物の改築保存のクラウドファンディングがはじまり、かつていろは丸事件の賠償交渉が行われたほどの歴史ある建物とはいえ、なかなか資金調達に苦労していた。そこへ宮崎監督がかかわるようになり、のちに宮崎&鈴木両氏がこのプロジェクトに寄付をしたことが伝わると方々から一気に資金が集まり、実現。さらにこののち『崖の上のポニョ』が完成し、そのモデルが鞆の浦であることも知られ、一気に流れがきた」
的なことが書かれていた(ややうろ覚え)。
なんというか、ストーリー力もスゴイ。
いいお店でした。
13:15 いろは丸展示館
まだ降ってる…。
予報では、この後14時から晴れるとのこと。
空はこんなに暗いし、雨もこんなに降ってるけど、予報を信じる…!
クーポンで巡れる施設の3つ目、いろは丸展示館に入館。
中は「いろは丸号事件」に関する展示がメインで、事故後に鞆の浦まで曳航されてくる途中で沈没したいろは丸号の潜水調査結果とか、NHK大河ドラマ『龍馬伝』での紀州藩との交渉場面のビデオとか、鞆の浦で龍馬が泊まっていた邸宅の隠し部屋のジオラマとか。
なんというか、ちょっとB級な空気を漂わせつつ、溢れる坂本龍馬愛!という感じの場所だった。
坂本龍馬、好きな人はほんっと好きだよね。
14:00 鞆酒蔵で保命酒購入
14時、いろは丸号展示館を出てみたら、ほんとうに雨があがっていた。
天気予報すごい。
鞆の浦のシンボル、常夜燈。
むかしからテレビや写真でよく見てきたこの風景は、こんな感じの場所だったんだ。
なんというか、すごく開放的な雰囲気。
いつも思うけど、テレビや写真で見るのと実際にそこで自分の目で見たり体感するのって、すごく違う。
それがそこに存在する空気まで含めての「それ」なんだよね。
常夜燈前を離れ、太田家住宅の前を通ったら、先ほどランチの場所をおススメしてくれたガイドさんが立っていたので、「すぐに入れたし、とってもおいしかったです!」とお礼を伝えて立ち話。
「保命酒を試してみたいんですけど」と話したら、自分たちの立場ではいまある4店のうちどこか一店を勧めることはむずかしいので…と言いつつ、このすぐ先のお店は古くからずっとやってらっしゃいます、とだけ教えてくれたので、行ってみる。
鞆酒蔵。
店頭で湯気と甘い匂いを立ち上らせている鍋が、イイ感じ。
これは、匂いにひかれてついついお店に入っちゃうね。
氷をひとかけ入れた保命酒を、試飲させてもらう。
あまくて漢方独特の風味があって、おいしい!!!
でも、こんなに甘いのはたして飲むだろうか…と迷っていたら。
鞆の浦名物、「保命酒」。
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) February 21, 2023
試飲させてもらって、確かに美味しいんだけど、わたしには甘い…甘すぎる…。
うーん………。
店員さん「これを炭酸水で割るとクラフトコーラになります」
買 い ま す!!!
(※夫がクラフトコーラとかドクターペッパー大の大の大好きマン)#一人旅#おみやげ pic.twitter.com/dAveaRrWM1
うーん、みごとな提案力。
ビン+液体は重いし、旅程はまだあといちにちあるんだけど、夫の喜ぶ顔を想像したら買わずにはいられなかったよ。
(夫が炭酸水で割って日々ちびちび飲んでる。もうすぐなくなりそうなので、商品に入っていたはがきで注文しようと思っているところ。)
そうこうしているうちに、外はすっかり晴れてきた。
お店の人に「これからどちらへ?」と聞かれたので特に決まっていないと答えたら、「医王寺からさらに上の太子殿まであがると景色がすごくきれいですよ」と教えてもらった。
行ってみます!
14:15 医王寺太子殿へ
傘をリュックにしまって、身軽に歩き出す。
宮崎駿監督が滞在して『崖の上のポニョ』の構想を練っていたという洋館って、これかなあ…?などと想像させる建物。
なんか、ジブリ映画に出てきそうなんだもん(イメージ)。
丘を上がったところ、医王寺からの景色。
ここからの景色もいいけど、せっかくだから太子殿までのぼってみよう!
…結構な石段が、結構つづく。
15分ほどのぼって、到着!
ざんざん降りの大雨がいきなり上がってくれたので、医王寺太子殿まで登ってみた。
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) February 24, 2023
鞆の浦がきれいに見えた。
下で誰かが鐘をついてる音がちょうど入ってた。#一人旅 #鞆の浦 pic.twitter.com/VfoR335y45
まだ雲が多くてすっきり晴れとはいかなかったけど、鞆の浦の全景がすばらしくきれいに見えた。
15分ほど景色を眺めてから、のんびり下りはじめる。
雨が上がったからか、ほかにもパラパラとのぼってくるカップルやファミリーとすれ違うんだけど、みんながみんな「すみません…これ…あと…どれぐらいですか…」とゼエゼエしつつ尋ねてくる。
えっと、この石段に書いてある番号が正確かはわからないですけど最後の段の番号がたしか700弱ぐらいでしたー!!!と答えると、「700…がんばります…」と言いながら石段を上がっていった。
景色いいですよ!がんばってー!
坂を下って、海側へおりていく。
この坂を下りてくる途中に「平賀源内生祀地」なる場所があったけど、なんだかずいぶん荒れてさびれた雰囲気で、ちょっと不思議スポットだった。
15:30 南禅寺対潮楼へ
常夜燈のあたりまで戻って来た。
そろそろ福禅寺対潮楼に行ってみよう。
クーポンで巡れる施設の4つめ、福禅寺対潮楼に到着。
「いろは丸事件」の際,坂本龍馬ら海援隊と紀州藩が実際に談判を行った場所。
対潮楼は今から約320年前の1690年ごろ,真言宗の寺院・福禅寺の客殿として建てられました。
座敷からは,穏やかな瀬戸内海に仙酔島や弁天島がぽっかりと浮かぶ,鞆の浦の素晴らしい眺めを一望することができます。
江戸時代,対潮楼は朝鮮通信使のための迎賓館として使われ,日本の漢学者や書家らとの交流の場にもなっていました。
1711年には,朝鮮通信使・李邦彦(イパンオン)がこの対潮楼からの眺望を「日東第一形勝」と称賛しました。これは,「朝鮮より東で一番美しい景勝地」という意味です。
福山市HPより引用
屏風絵を広げたみたい。
雨もあがり、西に傾き始めた日の光が仙酔島に当たって、とても美しかった。
16:04 平成いろは丸で仙酔島へ
対潮楼から、仙酔島へ行き来するフェリーが見えたので、行ってみる。
片道5分の船旅、往復240円。はやいし安い。
あっという間に仙酔島に到着。
船着き場を降りてすぐに、岩をくりぬいた穴をくぐる。
遊歩道を歩いて鞆の浦海水浴場へ抜け、そこから島の外周沿いの遊歩道を歩いて五色岩を見に行こうと思ったら、崩落で通行止めだった…。残念…。
ときどき雲間から光が漏れてくる空と海を眺めていたら、御膳山のほうから外国人男性3人が下りてきて、いきなり海に入って行って漬かりだしたのでびっくり。
2月だよ…???どうした…???
あとから、ここに「江戸風呂」というサウナ的な蒸し風呂があり、その前の海岸を入浴後の水風呂として利用していると知った。
はー、なるほど。
そうはいっても、海水温はかなり低かったはずで。
やっぱり、肉をガンガン食べてきた民族は強いね…。
17:20 大波止からの夕日
だいぶ日が暮れてきた。
西側の夕日がきれいに見えそうだったので、大波止の突端まで行ってみた。
日も暮れたけど、もうちょっと鞆の浦でゆっくりするよー。
17:45 おいしい工房うみひこ&常夜燈
鞆の浦のまちが真っ暗になるまでの時間、カフェに入ってみた。
和紅茶とチョコレートケーキを頼んでみたんだけど、このチョコレートケーキがびっくりするほど美味しくて…!!!
ふらっと入った港の喫茶店のチョコレートケーキがほんと人生イチ美味しくて、ご店主に超暑苦しく感激を伝えてしまった
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) February 19, 2023
原材料全て精査して添加物を極力避け、小麦粉をほとんど使わず、生地に日本酒を加えて低温で3日寝かせて糖化させてから焼いてるのだそう
自然な甘みで胃もたれもなく激ウマだった
ほんとうに、人生イチ美味しいと思った。
気がつけば外は真っ暗。
最後のお客でした。おじゃましました。
うみひこを出て、常夜燈へ向かう。
きれいだなあ…。
昔の人がこれを目印に瀬戸内海を行き来していたと思うと、ロマンがすごい。
でも、まわりには人っ子ひとりいなくてちょっとびっくり。
日が暮れたとたん、街にひとっこひとりいなくなった…
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) February 19, 2023
絶対に夜がきれいなのに…意外…
さて、帰ろ
昼間たくさんみかけた観光客、わたしはみんなこの灯のともった常夜燈を見たくて鞆の浦にきてるんだと思ってたけど、ちがうのか…。
夜の常夜燈、すごくよかったよー!
19:15発のバスで、福山駅へ。
山陽本線で尾道へ戻る。
20:30 牛ちゃんで尾道ラーメン
チョコレートケーキを食べたからそんなにお腹は空いてないんだけど、尾道ラーメンを食べておきたくて、牛ちゃんへ。
ここ、2日目の夜におでん屋さんで一緒になった地元の人に「地元の人間にとっても何が尾道ラーメンかははっきりわからないんだけど、牛ちゃんのラーメンはおいしいよ!ラーメン屋じゃなくて焼肉屋のラーメンってだけだから特別なものでもないと思うけど、わたしはすごく好き!」と教えてもらったお店。
お店に入ってみたら、ミニサイズの尾道ラーメンがあった。600円。安い。
カウンターにかつお節が置いてあったので、たっぷりかけてみた。
うん、チャーシューはやわらかく、しょうゆベースのスープもおいしい!
大きさもちょうどよかった。
ごちそうさまでした。
21:00 あなごのねどこへ帰還、就寝
あなごのねどこへ戻ったら、リビングのこたつで台湾からの留学生リンちゃんがレポートをまとめていた。
えらいなあ。
邪魔しないように、するっとドミトリーに戻り、シャワーを浴びて就寝。
おやすみなさい。
おわりに
鞆の浦は、瀬戸内海のほぼ中央に位置することから風待ち潮待ちの港として隆盛を誇り、その後近代に入って七卿落ち、いろは丸沈没事件の舞台となり、現代にいたって『崖の上のポニョ』のモデルともなったまち。
いろんな人の出入りがあるまちは、いろんな文化がまじりあいどんどん厚みを増していく。
とても素敵なところだった。
おまけの話
太田家住宅のガイドさんや保命酒のお店のお母さん、うみひこのご店主と話していると、みなさん鞆の浦のことを「鞆(とも)」「鞆(とも)」と呼んでいた。
その響きになんとも言えない親しみやほこりが感じられて、すごくほっこりした。
▼楽天トラベルの全国旅行支援。宿泊自体が割引になるのはともかく(そもそもの元値が上がっていることも多いので)、地域クーポンがついてくるのがかなりありがたい。広島ではおみやげと夕食に使用。
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