先日、台湾へ行ってきました。
台北から1時間ほどのところにある街「九份 (きゅうふん)」は、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』のモデルとなったと言われる茶屋があるところ。
今回の旅、あたらしいカメラ「ライカQ」でこの街を撮ってみるというのも大きな目的のひとつでした。
そのとき撮った写真が、こちら。
夏に一緒にスペイン巡礼路であるカミーノを一緒に歩いた友人Yにこの写真を送ったところ、
「どうやったらこんなふうに撮れるの? 九份に3回行ってるけど、こんな風に撮れたことないよ!!!」
と興奮した様子のメッセージが返ってきました。
ふふふ、いいでしょー!
わたしがフォトジェニックな九份を存分に楽しんだ方法、ご紹介します。
フォトジェニックな九份を満喫する方法
九份へ電車とバスで行ってみた。
九份は、台北から電車やバスなどで1時間ほどの距離。
そのため、台北発着の現地開催ツアーが大体5~6,000円ぐらいでたくさん用意されています。
でもこういったツアー、夕方に台北を出発して九份に着き、数時間滞在してまたすぐに台北に戻ってくるという大変慌ただしいものが多い。
わたしはゆっくり楽しみたかったので、ツアーではなく、自分で電車とバスで行くことにしました。
こちらのサイトで、九份最寄りの駅である「瑞芳(ルイファン)」へ行く電車を検索。
この電車に乗りました。
區間 2164 | 台北発 13:52 | 瑞芳着 14:38 |
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電車賃は台湾の交通系ICカード「イージーカード」でピッと支払って44元(約150円)。
安い!
瑞芳駅西口から大通りを左折してしばらく歩くと、警察署の向こうに九份へ行くバスが出るバス停が見えてきます。
大きな観光バスのようなバス1062番がすぐにやってきたので乗車。
電車と同じく「イージーカード」をピッとして、15元(約50円)を支払います。
15分ぐらいで着く「九份老街」というみんなが降りるバス停で下車すると、九份への入り口である老街(オールドストリート) にたどり着くことができます。
ここまでで支払った金額は200円ほど。
ツアーの30分の1ですね…。
費用が安いだけでなく、自分の好きな時間に行けるのもいいところです。
▼九份への交通機関についてはこのページでとても詳しく紹介されています。ツアーではなくご自分で行かれるという方はぜひどうぞ。
台北駅から九份への行き方(電車+タクシー・電車+バス 編)2
九份に泊まってみた。
先ほどもご紹介したように、九份へは台北からのツアーで日帰りされる方が圧倒的に多い。
わたしはマイペースにゆっくり楽しみたかったので、ツアーではなく自分で公共交通機関を使って現地へ行き、さらに現地で一泊してみることにしました。
泊まったのは「Mountain Sea Bay」というホステル。
九份の山の上のほうにあり、その名の通り山と海と湾が見渡せる眺望抜群の宿です。
観光客でごった返すオールドストリートをもみくちゃになりながら通り抜け、「Mountain Sea Bay」にチェックインしたのは16時ごろ。
ホステルの大きな窓から外の景色を楽しみながら一息ついて16時半、いよいよジブリ映画の世界を堪能しに行ってみます!
九份を歩いてみた。
ホステルのご主人がものすごく親切で、『千と千尋の神隠し』のモデルになった茶芸館「阿妹茶楼(あめおちゃ)」へ行く道の入り口まで案内してくれました。
おお、これがあの場所!
すぐ近くにある撮影スポットにはひとだかりができていて、写真を撮る人波が絶えません。
スマホで茶屋を撮っている人を、パシャリ。
(スマホに写る画像まで全部きれいに解像してるライカQ、すさまじい…。)
ここで、夏にここへきて素晴らしい写真を撮っていたカメラのお友達、雄佐武さんの台湾撮影旅行記事を参照。
それによると、「阿妹茶楼(あめおちゃ)」の向かい側にある「海悦楼」という茶芸館の3階のテラス席が写真撮影にぴったりの場所だとのことなので、意気揚々と行ってみました。
…ダメだ…入口にロープが掛けられてて店員さんが立っていて、入れてもらえなかった。
今夜はもう予約でいっぱいなんですって…。
確かに、揃いの制服を着た日本の高校生らしき団体がどんどん中へ入っていきます。
こればかりはどうしようもない、気を取り直して街の散策へ出かけましょう。
九份の街には日が暮れるにしたがってどんどん人が増えてきて、茶屋前の道などは茶屋に近づきたいと思ってもじりじりとしか進まないほどの人ごみに。
時刻は17時過ぎ、台北からのバスツアーの方たちが続々と九份に到着する時間ですもんね、そりゃそうだ。
提灯に照らされた小路に人があふれかえっていて、なんだか夢の中の世界にいるような気持ちになってきます。
メインストリートである老街(オールドストリート)のお店をのんびりと冷やかしながら、そのうちの一軒で夕食をいただくことに。
九份の名物である魚肉ボールのスープやルーローハン、青菜の炒め、おいしかった。
そんな感じでプラプラ散策しているうちに、時刻は19時半過ぎ。
もういちど何気なく 「阿妹茶楼(あめおちゃ)」 の方へ向かってみると。
あれ?小路にギュウギュウだった人がだいぶいなくなってきてる…?
あれ?さっき張られていた「海悦楼」の入り口のロープもなくなってる…?
「海悦楼」を外から見てももう予約客らしき大集団の姿はなく、店内は空いています。
修学旅行生、もう帰る時間だったんだ。
おそるおそるお店へ入り、店員さんに声をかけてみました。
「お茶飲みたいんだけど、入れますか…?」
ベスト撮影スポット!「海悦楼」の3階テラスで撮ってみた。
時刻は20時ごろ。
声をかけると、女性店員さんがここへ座るようにとすぐそばのテーブルを指さしました。
「いや、えっと、できれば3階のテラスでお茶を飲んで、ついでに写真も撮らせてもらいたいんだけど…。」
と言うと、もう上の階は閉めちゃうので、とのこと。
そっかー…。
そこへ年配の男性店員さんがやってきて、お茶は2階までなら運ぶから、3階に写真撮りに入っていいよ、とのこと!!!
ほんとにーーー???多謝ーーー!!!
ということで、3階テラスに行ってみたら。
…いやーーー!ここすごい!
めちゃくちゃきれいに見えるじゃないですか!!!
暗い場所での撮影に必要とされる三脚も持ってきてないし、なんならこの数日前に手元に来たばかりの新しいカメラで使い方もまだロクにわかってないし、簡単な設定をして夢中でシャッターを切っただけだったんだけど。
提灯のあかりも電飾のひとつぶひとつぶも窓の格子の直線もきれいに出てるし、なんなら 「阿妹茶楼(あめおちゃ)」 の中で食事してる人ひとりひとりの様子まで全部わかるんですけど…。
きれいすぎる!!!
ライカQ、ありがとう!!!
「海悦楼」、ありがとう!!!
「海悦楼」を教えてくれた雄佐武さん 、ありがとう!!!
3階テラスにはわたしの他にも欧米人男性、アジア人男性、日本人夫婦とお嬢さん、日本人女性5人グループが来て、一眼レフカメラで向かいの茶屋を撮ったり、スマホで自撮りをしたりしていました。
わたしは店員さんが2階に用意してくれていたミルクティーを2階のテラスで頂きつつ、こちらからもパシャリ。
目線が少し低くなるので、3階から撮るのとはまたちょっと雰囲気が違います。
ここで21時ごろまでゆっくりお茶をしつつ、 写真を撮らせてもらいました。
大満喫。
ひっそりとした九份を撮りまくってみた。
17時ごろから人でいっぱいになる九份の街も、20時を過ぎるころからにわかにひっそりしてきます。
台北からの日帰りツアーできた人たちが、みんな帰って行ってしまうので。
あんなに人であふれていた小路も数えるほどしか人通りがなくなり、あんなにも元気に呼び込みをしていたオールドストリートのお店もどんどん店じまいをしてあかりを消していく。
わたしはこの光景がおもしろくておもしろくて、さらに夢中でカメラを構えつづけました。
日帰り圏内の #九份 にあえて宿泊してみて良かったこと。
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) October 27, 2019
この街の、いわば「終演後」を垣間見られたこと。
大方の観光客が帰っていった後、狭い路地を走り回ってガスを運ぶひと、ゴミを収集するひと、食器や道具を洗うひと、自分だけの時間に戻るひと。#台湾旅行 #一人旅#LeicaQ#ライカびと pic.twitter.com/7pfaCvO4Wb
これは、ツアーで来て数時間で帰ってしまっていたら絶対に見られなかった。
わたしはこういう、ひとのくらしのにおいがするような風景が大好き。
こういう風景が見られる旅が大好き。
九份に宿泊するという選択、よかったです。
フォトジェニックな九份を満喫する方法 まとめ
九份の街はほんとうにフォトジェニック。
まさにジブリの世界に迷い込んだようでした。
台北ももちろんいいけれど、もうすでに何度も台北に行っているとか、ちょっとゆっくり目に3泊以上できる旅程であれば、1泊だけでも九份に泊まってみるというのは面白い選択だと思います。
あわてずのんびり散策し、映画のようなフォトジェニックな写真を撮り、観光客向けとはちょっと違う九份の街の表情を楽しむためのポイント3つ。
- ツアーではなく自分で公共交通機関を使って九份へ行く
- ベスト撮影スポットを押さえる
- 九份で宿泊する
次回の台湾旅で、いかがですか?
▼ ツアーで九份へ行かれる場合はこちらからどうぞ。 九份でややゆっくりできそうなスケジュールのプランもあります。