17年前の抗がん剤治療の後遺症で、30歳で閉経しています。
2017年の秋に初めてのがん検診でレディースクリニックの門をたたいた際、15年以上に渡って閉経状態を放置していると聞いてびっくりした医師が合わせて検査をしてくれ、女性ホルモンの枯渇による骨粗鬆症が判明しました。
きょうは、あたらしく始めた新薬での治療と、そこに至るまでの経緯について。
最近身の回りで骨粗鬆症と診断される人が立て続けに出てきたので、自分の備忘録のためにも情報をまとめておきます。
早発閉経による骨粗鬆症の診断および治療経過
まずは、骨粗鬆症であると診断された経過と、これまでおこなってきた治療についてまとめます。
2017年9月
レディースクリニックでの簡易的な検査で、骨量が60歳代程度しかないことが判明(当時44歳)。
もっと精密な検査が必要ということで、レディースクリニックから紹介された大学病院の整形外科にて骨塩定量測定検査を受けることになりました。
2017年10月
大学病院の整形外科での骨塩定量測定検査の結果、通常の人の6割しか骨量がなく立派に骨粗鬆症であるとの診断が下りました。
ただちに治療開始ということで、
- 女性ホルモンパッチシール「メノエイドコンビパッチ」(週2枚)
- 骨粗鬆症治療薬「ボナロン」(週1包)
- ビタミンD錠剤「カルフィーナ」(毎日1錠)
の投薬が始まりました。
2019年5月
大学病院の整形外科での治療および経過観察をはじめて1年半。
一向に骨粗鬆症のマーカーの数値の改善が見られないため、医師の紹介により、日本における骨粗鬆症関連学会のトップである医師がいるという神奈川県内の病院へ転院しました。
転院先で再度詳細に検査してみたところ、これまでの治療の方向性に大きな違いはないとのこと。
ビタミンDの投薬量を増やす程度で、引き続き同じ薬での治療継続となりました。
2019年10月
あたらしい病院で経過観察と治療をはじめて約半年。
あらためてマーカーの数値を確認しても、改善されている様子がまったくない…。
ついに新たな薬での治療を開始することになりました。
新薬「イベニティ」という注射での治療です。
骨粗鬆症治療の新薬「イベニティ」
2019年10月の診察で医師から提案されたのは、「イベニティ」という注射。
あたらしく認可がおりたばかりの、骨形成促進剤と言われるカテゴリの新薬だそう。
「イベニティ」のメリット
- 骨をつくる働きを、これまでの治療薬とくらべてかなり効果的に向上させる
- 1か月に1度の皮下注射のみ
「イベニティ」のデメリット
- 費用が高い(保険適用後で1回あたり15,000円かかる)
- 接種には、1年間の上限あり(つまり最大で12回までしか接種できないと決まっている)
- 心疾患や脳血管障害などの副作用のリスクがあるとされている
これらのメリットとデメリットの説明をきちんと受けた上で、わたしは「イベニティ」の治療を開始することに決めました。
リスクはどんな薬にもある。
想定される薬害リスクと骨粗鬆症により心配されるQOL(生活の質)低下のリスクをてんびんにかけてみて、やはりこのまま骨粗鬆症がどんどん進行することのリスクの方がわたしにとっては大きいと判断したためです。
骨粗鬆症の新薬「イベニティ」接種によるわたしのマーカー数値の変化
こうして「イベニティ」での治療が始まり、
- 2019年11月 第1回
- 2019年12月 第2回
- 2020年1月 第3回
と、ここまで3回の接種を受けました。
全12回が上限となるので、4分の1が終わったことになります。
そして接種2回目となった2019年12月、接種前に採血と採尿の検査をうけるように指示されていました。
以下はその検査による、イベニティ接種前とイベニティ接種開始後の骨粗鬆症マーカー数値の抜粋です。
2019/4/12 | 2019/8/6 | 2019/12/17 | |
totalP1NP(骨を作る働き) | 19.8 | 17.0 | 54.5 |
TRACP-5b(骨を壊して吸収する働き) | 88 | 73 | 67 |
いちばん右の12月17日がイベニティ接種開始後、その左側ふたつはイベニティ接種前の数値。
上段の「totaP1NP」という骨を作る働きを表す数値が、接種前と接種後で17.0から54.5へと劇的に改善されているのがわかります。
「totaP1NP」の正常上限値が60とのことなので、ほぼ正常域まで持ち上げられていると言えます。
わたしの今後の骨粗鬆症治療方針
今回の検査結果をもとに、今後も「イベニティ」の接種を継続するかどうかについて医師と話し合いました。
医師からは
- しっかりと望む効果が出ているとみられるので、このまま継続を勧めたい
- ただし、心疾患、脳血管障害などのリスクはひきつづきある
- 自分の患者さんで「イベニティ」の接種で全身に湿疹がでて中止したひともいる
との説明が。
その上で、わたしは継続をお願いしました。
骨をつくる働きが超低空飛行のまま、いつか背骨が、大腿骨がつぶれて動けなくなるのではないかと常に心のどこかで心配しながら生きるのは気が進まないので…。
女性ホルモンを補充するための「メノエイドコンビパッチ」、ビタミンD「カルフィーナ」の服用に加え、月にいちどの「イベニティ」接種を今後も続けていきます。
おわりに
2017年の秋に骨粗鬆症にようやく気付き、治療を開始して2年ちょっと。
わたしの場合、新薬のちからを借りてようやく効果が数値にあらわれてきてくれました。
実はここのところ実家の母(70歳)、スペインに一緒に行った友人(61歳)も立て続けに骨粗鬆症の診断を受け、ふたりとも非常にショックを受けています。
思った以上に骨粗鬆症はひっそりこっそり幅広く進行しているようなので、きちんと定期的に検査を受け、現状を把握して気をつけていくことが大事なのだとあらためて感じています。