わたしは自宅のリビングやダイニングで作業をすることが多いのですが、あれこれいろいろなことに気を取られては、流れを中断することがしばしば。
集中力を保つため、着けるだけで雑音を聞こえなくしてくれると話題の「ノイズキャンセリングヘッドフォン」の購入を考えていましたが…。
予期せぬところで思わぬ問題にぶつかり、残念ながら購入を断念しました。
何が起きたか、まとめてご紹介します。
ノイズキャンセリングとは?
そもそも「ノイズキャンセリング」とはどういった原理なのか。
KDDIのIT×カルチャーマガジン「TIME&SPACE」から引用します。
音は音波。ここはシンプルな波形のうねりをイメージしてもらおう。
この音波に対して、形がそのまま正反対の音波(逆位相という)をぶつける。
すると、2つの音波は打ち消しあって消滅する。
プラス1とマイナス1を足すとゼロになるようなもの。
下の図1を見てもらうとわかりやすいかと思う。
つまり、騒音の音波に対して、逆位相の音波を重ね合わせることで、騒音の音波を消してしまうというわけだ。
(KDDIページより)
この技術をつかったヘッドフォンやイヤフォンを着けると身の回りの日常音が消えたように感じ、不快な音をシャットアウトできたり、静寂の中で集中できると話題だったので、わたしもぜひ手に入れたいと思っていました。
リサーチした上で自分の好みに合う機種もしぼりこんでありましたが、
- サイズは大きいが耳をすべて包み込む安心感のあるヘッドフォン型か
- コンパクトで持ち運びもしやすいイヤフォン型か
のどちらかで迷い、購入をなんとなく先送りしてきていた状況でした。
ノイズキャンセリングヘッドフォンとイヤフォンでわたしに起きたこと
昨日、出かけるついでに家電量販店に立ち寄り、狙っていたノイズキャンセリングのヘッドフォンとイヤフォンを試してみました。
そのときの感想ツイートです。
頭がふわふわ〜っとする。
ノイズキャンセリングを切ると収まる。
入れるとやっぱりふわ〜んとする。
おかしなこと言うようだけど、脳みそが細かーく共振してる感じ?で、あ、これはダメだ、私には合わないわと。
無音状態で集中しやすくしたかっただけなんだけど。
変な所で過敏なのよねえ…。
— ヌー:すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) 2018年12月9日
試した機種は、オーディオ分野でゆるぎない信頼を築いている海外メーカーのヘッドフォンタイプとイヤフォンタイプ。
どちらも、着けるととたんに頭がふわふわし始めます。
気のせいかと思いつつ、ノイズキャンセリングのスイッチをOFFにすると収まる。
ONにするとまたふわふわし始めるのが、はっきりわかりました。
メーカーの仕様によるかもと思い、こちらもオーディオ分野でゆるぎない人気の国産メーカーのイヤフォンタイプも試してみたのですが、状態は同じ。
着けると頭がふわふわしてぼーっとしたようになる。
これは「無音で集中して作業する」どころではないと思い、買わずに帰ってきました。
ノイズキャンセリングヘッドフォンとイヤフォンで気分が悪くなるタイプもいる
翌朝改めて思い返してみて、あれは一体なんだったんだろうととても不思議に思って調べてみたところ、思い当たることが書かれたページに行き当たりました。
ガジェットやテクノロジー関連の情報が豊富な「GIZMODOジャパン」の2008年の記事、「ノイズキャンセリング・ヘッドフォンで気分が悪くなる人がいるのは何故?」です。
この記事では、ノイズキャンセリングのヘッドフォンをして体調が悪くなって戸惑っているというユーザーの声と、それに対するニューヨークの耳鼻咽喉科医の解説をとりあげたウォールストリートジャーナルのQ&Aを引用しています。
その記事中での、耳鼻咽喉科医の回答がこちら。
ニューヨークの耳鼻咽喉科専門のSarah Stackpole医師は、音波は互いに遮断し合っても依然として、内耳の有毛細胞に繋がる平衡感覚器官を刺激するに足る程度、非常に低周波数の波動を伝えている可能性もある、との推測を立てています。
こうした波動は爆発の突風やスキューバダイビングの気圧障害と同種のものですが、もっと効果は低いと医師はいいます。
(ヘッドフォン装着で)一部の人が感じる不均衡な感覚は、両目が「頭が止まってる」という信号(シグナル)を送っているのに、波動が「頭が動いている」と事実とは異なる信号(シグナル)を送ることでさらに悪化します。
このようなシグナルの混同でヘッドフォン装着者もめまいを感じるのです。
「非常に低周波数の波動を伝えている可能性もある」とありますが、この感覚はまさに私が店頭で試したときに感じたもの、「脳みそが細かーく共振してる感じ」とよく似ているようです。
昨日、ノイズキャンセリングのイヤホンを試してみた時の不快感、まさにこんな感じだった…!
やっぱり人によっては合わない場合もありそう。試してみてよかった。
ノイズキャンセリングのイヤホンの購入を検討している方、念のため実機で試してみる方がいいかもです。https://t.co/WtsnX0G3GP
— ヌー:すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) 2018年12月9日
圧倒的多数のひとにとっては何でもないどころか多大なる恩恵を与えてくれるノイズキャンセリングですが、調べてみるとやはり気分が悪くなるといった感想がほかにもちらほら見受けられ、どうも体質的にあわないというひともそれなりにいるようです。
わたしもそちら側だったようで、とても残念です。
ノイズキャンセリングヘッドフォンとイヤフォンは、買う前に試聴しよう!
ノイズキャンセリングのヘッドフォンやイヤフォンは、普通のものよりかなり高額。
3~4万円するものがほとんどです。
大部分の方には多大な恩恵を与えてくれる製品ですが、ごくまれに、わたしのように体質的にどうにも合わないらしいケースもある。
買ってから「使えない…」となると本当にもったいないので、ノイズキャンセリングのヘッドフォンやイヤフォンの購入を検討されている方は、ぜひ実機がある店頭で試聴されてから選ばれることをおすすめします。
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