先日、青森県の下北半島、恐山・大間へ行ってきました。
途中、現在家を出て一人暮らし中の息子も合流しての、4泊5日旅。
きょうは、3日目の記録。
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3日目:恐山~下北~大間
05:00 早朝の恐山散策&温泉
早朝5時、宿坊の部屋でこっそり起床。
息子はとなりに敷かれた布団でまだぐうぐう眠ってる。
朝の光の中の恐山を見たくて、スマホとカメラと手ぬぐい1枚だけ持って、散策に出発。
温泉の湯気があちこちからほわほわと立ち上っている。
山の方から朝靄がゆっくりと降りてきて、温泉の湯気と混ざりあって風景がとろりとかすんできた。
本堂前の温泉浴場、ふたつある女湯のうちのひとつ、古滝の湯。
まだ早朝で誰もいないので、着ているものをさっと脱いでざぶんと体を沈めてみたら、濁ったやわらかいお湯が包み込むようで思わずふううううっ…とため息が漏れる。
数分浸かっただけでぽっかぽか。
持ってきた手ぬぐいでからだを拭いてあがる。
宿坊の中の温泉も気持ちよかったけど、ここはまたさらに気持ちよかった。
宿坊の向こう、東の空がどんどん明るくなってきた。
恐山の風車(音アリ)#恐山 pic.twitter.com/iH3IRrA0sd
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) September 21, 2022
恐山の地獄(音アリ)#恐山 pic.twitter.com/oSh3JkjT8w
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) September 21, 2022
東と北の山からどんどん朝靄が流れてきて、地獄も極楽も幻想的。
6時過ぎに宿坊へ戻る。
気持ちよかったー!
06:30 朝のお勤め
宿坊の宿泊者は、早朝6時半から本堂と地蔵殿でおこなわれる「朝のお勤め」に出席することとなっている。
まずは宿坊の横にずっと続くながい廊下を渡って、本堂へ。
本堂では読経があり、その読経の中で宿泊者の在住県と名前がひとりひとり読み上げられ、家内安全等の祈念をしていただけた。
チェックイン時に宿泊者名簿に記入をしたけれど、まさかこんな風にお参りしていただくものだと思っておらず、ありがたさがしみじみ伝わってきた。
本堂でのお勤めが終わって長い廊下を戻って外へ出て、今度は山門手前にある地蔵堂へ。
ここでもお参りをしていただいて、最後にご住職のおはなし。
- この日がたまたま満月であったこと。
- この日がたまたまNHKの番組『ブラタモリ』の、まさに恐山の回の放送日であったこと。
- 8年前にNHKの『72時間』というドキュメンタリー番組でも恐山が扱われたことがあり、その中でとある信者さんが言っていた「恐山に来るのにはとても時間がかかる。けれど、その時間がずっと故人のことを偲ぶ時間になった。それこそが恐山の魅力。」といった言葉が非常に印象に残っているということ。
なんだか不思議なタイミングで恐山に来られたこと、自分でも実感があった。
結局。
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) September 10, 2022
今回の旅は、『ブラタモリ』の放送日ドンピシャだったの!!
\🎯オオアタリー🎯/ https://t.co/gsWKujjzRB pic.twitter.com/vtqjERryl8
恐山に着くまでとてもとても長い時間がかかったけど、その長い時間がまた良かったことも、実感があった。
辿り着くまでにものすごく時間がかかったけど
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) September 12, 2022
その時間もものすごくよかった https://t.co/y4w3p3aAwb pic.twitter.com/uVTWQNA2m8
ありがたい時間だった。
07:30 朝食
朝のお勤めを終え、前日の夕食と同じ大食堂で7時半から朝食。
館内写真撮影不可とのことでこちらも写真はないけれど、朱塗りに金で紋の入った漆のお膳に色とりどりのお菜がおいしい、満たされた食事だった。
08:30 恐山散策
食事後、部屋に戻って荷物をまとめておき、最低限のものだけ持ってまたまた散策へ。
恐山、何度歩いてもおだやかで癒されるんだもん。
これまで行ったことのなかった「林崎」という高台へ上がってみた。
緑の低木と白い砂と碧い湖が美しい。
宇曽利山湖の湖面が、南国の海のような碧さになっていた。
恐山、宇曽利山湖の湖面にぷくぷく湧くガス(音アリ)#恐山 pic.twitter.com/wRVZKDdQ2J
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) September 21, 2022
硫黄分が流れ込んで、湖底が黄色く見える。
白から黄色から碧へのグラデーションが不思議。
恐山、ほんとうに浄土のようだった(浄土にはまだいったことないけど)。
10:00 宿坊チェックアウト&「本州最北の駅」下北駅へ
散策を終えて部屋へ戻り、荷物を持ってチェックアウト。
他の宿泊者はもうみんな出てしまったようで、スタッフさんが空いた部屋を掃除していて、苦笑しながら部屋の奥からお酒の空き缶を持って出てきていた。
宿坊の中は禁酒なのに、持ち込んでまで飲酒していた人がいたのね…。煩悩…。
10:05発のバスに乗車。
恐山、すばらしかった!ありがたかった!
途中、前日恐山行きのバスに乗りかえたむつバスターミナル停留所を通りつつ、今日は下北駅まで乗車。
前日と同じようにむつバスターミナルで大間行きの路線バスに乗り換えられるけれど、この日はどうしても行ってみたかったのですよねえ。
「本州最北の駅」、下北駅へ!
最北の駅と聞くと、やっぱり行ってみたくなる。
(鹿児島では「JR最南端の駅」西大山駅に萌えた。)
大間行きのバスが来るまでの時間つぶしのつもりだったけど、時刻表を見てみたらちょうど列車がやってくる時間だったので、駅に入ってみた。
キターーーー!
カワイイーーーー!
この列車の到着に合わせてここへ来たらしい観光客らしき人たち(自分含む)が、一斉に写真を撮っていた。
いいタイミングだった。
11:15 佐井行きバスで大間へ
11:15発佐井行きの路線バスで、大間へ向かう。
また国道279号線をずーっと走っていくよー!
前日に大間からむつバスターミナルへくる途中「大畑駅」というバス停があり、こんなところに駅なんてあったっけ…?と思ったら、廃線の廃駅がバスの営業所として使われている場所だった。
その時はあっという間に通り過ぎてきてしまってじっくり見られなかったのが悔しくて、帰りは窓越しにでもいいからしっかり見たいと思っていたら。
バスの運転手さんがバスを停めて営業所へ入っていき一向に戻ってくる気配がないのを見て、すわ!この隙に!とカメラを持ってバスを降りていく人数名(自分含む)。
下北駅からここ大畑駅まで下北半島を縦断していた大畑線は、2001年に廃線。
もともとはここ大畑駅からこの先の大間まで鉄道がのびる計画はあったようだけど結局実現せず未成のままおわり、「幻の大間鉄道」となってしまったらしい。
わたしは今回、大間とむつ市の間を路線バスで往復することになったけど、もしも大間鉄道の敷設が実現していたとしたら、そして今も現存していたとしたら、まったく趣の違う旅路になっていたんだろうなと思った。
きょうの津軽海峡の海も青い。
むつ市から大間へつづく国道297号線は途中かなり大規模に土砂崩れが起きたあとの工事中みたいな場所が何か所かあって、この道路が途切れてしまうと他にう回路もなさそうで、生活している人はさぞ大変だろうなあと思った。
13:01、大間崎に到着。
ここででバスを降りようと思ったけど、下北半島を通る二つの国道のうちのもうひとつ、国道338号線の方の風景も見てみたくて、急遽大間崎を通り越してこのバスの終点の佐井まで乗っていくことにした。
意外に夫に大ウケだったおみやげ、国道ステッカー。下北半島を走る国道ふたつ。
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) September 12, 2022
夫「標識好きなのよく知ってたねー🥰」
まーねー🥰(知らんかった 笑) pic.twitter.com/TZxzEbcvyO
13:30、佐井港に到着。
この時間はもうすでに、佐井港を出発して名勝仏ヶ浦をめぐる観光遊覧船は終わってしまっていたので、「津軽海峡文化館アルサス」で港を眺めながらお昼ごはん。
息子はウニのせ大漁丼(1,800円)。
(…遠慮がないなー 笑!)。
わたしは真こんぶラーメン(800円)。
真こんぶラーメン、麺にもこんぶが練りこんであるのか、麺もスープもうまみが強くてとてもおいしかった。
佐井から大間崎へ戻るバスまで時間があったので、下のお土産屋さんでおやつを買って、外のテラスで港を眺めながらのんびり。
そういえば、一年前にフェリーで青森港から函館港へ向かって下北半島沿いを航行していた時に、海岸沿いに真っ白くザラザラして見えたエリアがあったのを思い出した。
あの時は仏ヶ浦を知らず、土砂崩れでもしたのかな…?とニュースを検索した記憶があるけど、あれが仏ヶ浦だったんだな。
今回仏ヶ浦を見に行けなかったのは残念だけど、まあまたいつかご縁があるときに。
15:43、佐井発大間崎行きバスに乗車。
海を眺めていたら柱状節理が見えたので、慌ててシャッターを切る!
津鼻崎エリアの柱状節理、きれいだなー!
下北半島の西側を走る338号線沿いの景色も、のどかでうつくしかった。
東の279号線、西の338号線、どちらもイイ。
16:18、大間崎で下車。
これがあの有名な、大間のまぐろ一本釣り像かー!
まぐろがきゅるんとしてて、思ってたよりもかわいらしかった。
16:30 民宿 大間海峡荘チェックイン&大間崎散策
宿泊予約していた民宿、大間海峡荘にチェックイン。
部屋におちついて早々にゲットしたWi-Fiパスワードでさっそくスマホをのぞき始めた息子を置いて、ひとりで大間崎の夕日を見に散歩に出る。
本州最北端の地から見る夕日。
この日もぴーかんで暑い日だったけど、夕方になってびゅうびゅうと強い風が吹き始め、あわててジャケットのフードをかぶってぎゅっとしぼった。
海峡荘のおかあさんに「やっぱり風が強いですねー!でも冬はこんなもんじゃないんでしょうけど」と言ったら、「これはまだまだ全っ然ー!これなら歩けるからねえ!」と笑っていて、そりゃそうだろうな、しかしこの年齢になってもまだ冬の津軽海峡の厳しさのイメージすら現実感を伴って浮かんでこない自分がなんだかちょっと残念だな、と思ったり。
この世はまだ経験してないことだらけ。
19:00 『ブラタモリ』恐山回を観ながら、マグロづくしの夕食
19:00、海峡荘の食堂でマグロづくしの夕食。
どれも新鮮でとっても美味しかった。
食堂のテレビではちょうど『ブラタモリ』の恐山回の放送が始まって、この日の朝までそこにいて眺めていた恐山の風景が次々とあらわれてきて、なんだか不思議な感じがした。
結局。
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) September 10, 2022
今回の旅は、『ブラタモリ』の放送日ドンピシャだったの!!
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21:00、お風呂をいただいて、就寝。
きょうも長くたのしい一日だった。
おわりに
もともと最初の計画では、函館から大間港に着いたらレンタカーを借りて東側の279号線を南下して恐山へ行き、帰りはむつ市から西側の338号線を北上して大間に戻るつもりだった。
旅程を1週間延期したことでレンタカーが借りられず路線バスでの移動になったため、338号線を走破することはできなかったけれど、なんとか下北半島東側西側両方の顔をのぞき見ることができてよかった。
このあとは、津軽海峡フェリー&函館初体験の息子とともに函館へ。
わたしは函館から青森に来てまた函館に戻るという、最初から最後まで非効率きわまりない旅程だけど。
急ぐ旅でもなし。
これでイイのだ&これがイイのだー!
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