2月に滋賀へ行ってきました。
今回の旅程はざっくり;
- 1日目(近江今津泊):びわ湖バレイ、白髭神社、海津大崎、メタセコイア並木、農家のお宿三左衛門邸
- 2日目(彦根泊):比叡山、石山坂本線、石山寺
- 3日目(彦根泊):長浜城、つるやパン、季の雲、翼果楼、琵琶湖一周大回り乗車
- 4日目(高速バス車中泊):彦根城、城下町散策、近江八幡散策、ラコリーナ近江八幡
- 5日目:帰宅
という感じ。
きょうは2日目の記録。
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2日目:比叡山延暦寺、石山坂本線、石山寺
6時半に目を覚ますと、外はすっかり雪景色になっていた。


前日の夕方にここに到着した時は雪なんてまったく積もっていなかったのに、一晩で真っ白になり、まだ降り続いている。
天候によって割とすぐに運休になることで有名な(?)JR湖西線、はたしてこんな状況下で動いてくれているのだろうか…。
スマホで検索してみると、どうやら本数を減らしたりはしているものの、なんとか運行している様子。
なんとかなるかな…。
07:45 農家のお宿 三左衛門邸をチェックアウト
キッチンへ行くと、テーブルの上に朝食が用意されていた。
翌朝には、おうちで作っているというお米のおにぎりの朝食まで出していただき、おまけにお土産にとそのお米を持たせてくれて…
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) March 3, 2025
雪が降っているからとホッカイロも入れてくれてて…https://t.co/RlU98tQB0f
ほんとうにいいところでした!!! pic.twitter.com/3fVHg918za
お米、お漬物、くだもの、全部自家製ですって!!!
宿泊予約時に「かんたんな朝食を出させていただきます」というメッセージを受け取っていたけれど、これほどまでのものをいただけるなんて思っていなかったので、感激してしまった。

まだ雪が舞う中、チェックアウト。
ご家族で送り出してくれた。
8時過ぎに近江今津駅を出る湖西線に乗りたい旨を前夜から伝えていたので、ほんとうに湖西線が動いているか心配しながらも、ご主人が駅まで車で送ってくれる。
農家のお宿 三左衛門邸、あたたかい宿だったなあ…。
08:08 近江今津駅を出発
ダメもとで駅構内に入り、駅員さんに運行状況を尋ねると、間引き運転ながらこのあとすぐの便は定刻通りに発車するとのこと。

よかったああああ!!!と安堵しながら、京都方面行きの列車に乗り込む。
窓の外は、前日とはうってかわって白黒の世界がつづく。

灰色に沈む琵琶湖を眺めながら、比叡山ケーブルの運行情報をチェック。
うん、動いているみたい。
行ってみよう。
08:54、比叡山坂本駅で下車。
09:30 坂本ケーブルでケーブル延暦寺駅へ
JRの比叡山坂本駅からケーブル坂本駅まで路線バスも出ているのだけど、25分程度で行けるとのことなので歩いてみる。
部活動かな?登校するらしい高校生の後を、雪に足をとられながらゆっくりゆっくり歩いていく。

あれほど真っ暗だった空が、比叡山坂本駅に着いた頃にはすっかり明るくなっていて、雪で冷たく澄んだ空気と相まって気持ちがいい。

あちらこちらに、かの有名な穴太衆(あのうしゅう)積みの石垣。

自然石が巧みに積み上げられた様子、美しい。
09:30、住宅の間の小径を歩いて、ケーブル坂本駅に到着。
ちょうど発車時刻だったらしく、あわてて乗車券を買って乗り込む。

ときおり強い風が吹いて、さらさらの粉雪を巻き上げる。
そこへ光が差し込んで、空気がきらきらと輝く。
ああ、来てよかったなあ。
2025m、日本で一番長いケーブルカーは、深い深い谷を見下ろしながらぐんぐん高度を上げていく。

ちょっとびっくりするぐらい深い深い谷。
昔の人々は、ここを歩いて延暦寺まで上がっていたワケでしょ?すごすぎる。
車内には、完全防備の登山姿の一行もちらほら。
ハイキングコースもあるんだね。
雪の中を歩くのも、(装備がしっかりしていれば)たのしそう。
10:00 比叡山延暦寺散策
ケーブル延暦寺駅から雪の積もった小路を歩くこと10分ほどで、比叡山延暦寺に到着。
入り口に消防の詰め所があり、係のひとたちが車両に雪かき用のスノープラウを取り付けているところだった。
『比叡山延暦寺』と書かれた消防車、カッコいい。

そしてこの消防団、なんと自警団組織らしい。
「ああ、焼き討ちに備えて…???」と一瞬思ったけど(不謹慎)、もちろん焼き討ち対策ではなく、落雷や火災にいちはやく対処するため。
実際、火災に見舞われてきた寺社は数多いし、この延暦寺だって何度も被災している。
たしかに、こんな山深い所で出火した際、ふもとから駆けつけていたら間に合わないもんね。
こういうの、「生きてるまち」って感じがする。
朝送り出してくれた宿のご主人に、「雪の根本中堂もいいもんですよ~」と太鼓判をおしてもらったけど。

根本中堂、修復工事中でぜんぶが建屋でおおわれていた 笑。


予定ではあと数年で終わるのかな?
工事中ではあるけれど、本堂の中ではふだんどおりのお勤めがおこなわれている様子。
床に正座し、しんとした暗さに目が慣れてくると、ここがこれまでちょっと見たことのない独特のつくりのお堂であることが分かってきた。
ご本尊が並ぶ内陣は参拝者がいる外陣の床から一段ぐっと掘り下げられて低くなっていて、その低い位置に高さのある須弥壇を配し、そこにご本尊をお祀りすることで、参拝者とご本尊が同じレベルで向き合えるようになっている。
…わざわざ、なのね、もちろん。
自分と仏像がおなじ高さにあることがもたらす感覚はもちろん、一段低くなったことでまっくらに見える場所から仏像が「生えて」いる様子がまるで蓮の花のようだと感じたことまで含め、すべてすべて計算ずくでデザインされている。
なるほどねえ。
この雰囲気、双璧をなす高野山に行った時に感じた空気感とはまったく異なるなあ。
高野山の「見上げるような」感じ、比叡山の「添うような」感じ、というか…。
まあ、比叡山延暦寺も僧兵が暴れまくるなど相当あらっぽい行いが多かったのだから、結局はどう見せたいか、どう見せているかの違いだけだとは思うけどね。
ホワイトアウトするかと思うほどに雪が舞ったかと思うと、ぴたっと風がやんで陽の光がさしてきたり。





西塔エリアまで歩いて行ってみようと思ったけど、さすがに雪が深すぎて帰ってこられなくなりそうだったので断念。
阿弥陀堂、東塔をながめながら、野点セットをひろげて一服。

こんな雪の中で、とも思ったけれど、あまりにも美しくて…。
延暦寺内はひともまばら。
静謐な空気のなか、ほんとうにすばらしい時間を過ごせた。
来てよかった。
12:30 坂本ケーブルで下山
ケーブル延暦寺駅へ戻る。

この駅、古い作りがそのままのこっていて、素敵な建物だった。
12:30のケーブルカーに乗車。


ケーブル坂本駅まで下山、坂本比叡山口駅まで歩く。
13:09 京阪石山坂本線に乗車
坂本比叡山口駅から、京阪石山坂本線に乗車。

この路線、端から端まで「京」でも「阪」でもないのに「京阪線」なんだね、おもしろい。
この路線、乗ってみたかったのよ。
この路線も通るびわ湖大津駅を終点とする京阪京津線が、地下鉄として京都を出発し、府県境の山を越え、最後は路面電車として道路を走るという変わった路線として有名なので。
乗車していた石山坂本線も、びわ湖大津駅手前で大通りを横切る信号待ちがあり、運転席すぐ後ろの座席からかぶりつきで見てしまった。
そこへ、なつさんが合流!
まちあわせ完了!はじめまして!
13:42、石山寺駅下車。
14:00 石山寺
もう何年も前からSNSでつながりのあった、滋賀県在住のなつさん。
今回滋賀に行くにあたって、もしお時間あったらごはんでもご一緒しませんか?と連絡したら、時間を合わせてくれた。
昨年の大河ドラマ『光る君へ』の関連で、いまめちゃめちゃホットなスポットになっているという石山寺へ。

ドラマは未履修だけど、まあ石山寺といえば、紫式部関連のエピソードはもとより古くからの石山寺詣の地として名はとどろいているわけで。
足を踏み入れてみれば敷地は里山まるごとひとつぶんの広さで、紫式部が源氏物語を執筆したといわれる小部屋つきの本堂やごつごつとそびえる異様な雰囲気の硅灰石崖、その上に建つ多宝塔、琵琶湖と瀬田川を眺められる月見亭、龍王舎がまつられた池などをぐるーーーっと回遊することができ、テーマパークさながら。
ああ、これは昔の人にとってはさぞたのしい旅の目的地だっただろうな。
門前周辺にはいまもいろんなお店が軒を連ねている。
食べ歩きにうってつけの場所なんだろうけど、この日は前日からの雪で休業を決めてしまっていたところも多く、ほとんどがお休みだった。
その中で開いてくれていた一店、叶匠壽庵石山寺店で名物の石餅とお茶のセットをいただく。
白と蓬色の長いお餅をくるくるとねじり合わせたものをひと口大に切り、その上に小豆餡がごろごろっとのっている。
おもちがやわらかく、小豆餡はさっぱりとした甘みでおいしい。
石山寺詣で、たのしかった!
16:13 JR琵琶湖線で彦根へ
石山寺を出て、石山坂本線で石山駅へ。

なつさん、おしゃれさん。
石山駅でJR琵琶湖線に乗り換え、今晩から2泊する予定の彦根へ向かう。
もともとなつさんとは17時に彦根で待ち合わせてごはんをご一緒しようという話だったのだけど、わざわざ石山寺まで付き合いに来てくれたんだよね。
ありがたい。
この日は前日からの雪で、鉄道のダイヤもかなり混乱。
ホームで待っていてもなかなか電車がやってこなかったけど、あれやこれやおしゃべりしているのもたのしかった。
15分ほど経ち、ようやくやってきた電車は結構なぎゅうぎゅう詰め。
さて、ここから彦根までは40分弱。
あらためて思った。
琵琶湖って大きいんだね…。
17:00 彦根酒場 半三で夕食
石山近辺では雪ももうほぼ融けかけだったのに、JR琵琶湖線で草津を過ぎ、琵琶湖の東岸に入るころからいきなりあたりが真っ白の雪景色になった。
…こんなに変わることってある!?びっくりなんだけど!!
彦根駅についたのは、ちょうど17時ごろ。
雪、めっちゃ積もってる…!
薄暗くなってきた駅前を抜けて、お店へ向かう。
なつさんとご一緒するのにお店をあれこれ探してウロウロするのもいやだったので、(めずらしく)事前に駅前の居酒屋さん彦根酒場 半三に目星をつけ、予約をしておいた。
肉豆腐、生にら玉、ホタルイカの沖漬けポテサラ、鴨肉サラダ、串揚げ、おでん、地酒、おーいし!
早い時間から入っておしゃべりしながら食べたり飲んだりしていて、きづいたらお店は人でいっぱい。
あっという間に8時になっていた。
お出かけの話とか家族の話とか恋バナ(?)とか、いろいろいろいろしたような気がする。
実際に会うのははじめてだけど、SNS上ではお互い現況を知っていたりするから話題には事欠かない。
たのしかったな。
彦根駅でおわかれ。
なつさん、ありがとねー!
21:00 東横INN彦根駅東口へチェックイン
予約していた東横INN彦根駅東口へチェックイン。
彦根駅の東口側に出てホテルへ向かう道で、駅前で人がそれなりに通っているはずなのにその足跡も見えないぐらい雪が積もっているし、空からガンガン雪が舞い落ちてきて東横INNの建物がぼんやりかすんで見えるしで、異世界に迷い込みそうな気持になった。
あれはほんとうに東横INNだろうか…だいじょうぶだろうか…。
21時、チェックイン。
部屋に入ってテレビを点けたら、『飛んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』が地上波放送されていた。
【滋賀3泊5日旅】
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) February 10, 2025
滋賀、湖あり山あり名所旧跡あり鉄道ありで、とてもよかった✨
旅の最中、大雪にKO寸前の湖西線やまちのあちこちに顔を出す「飛び出し坊や」にちょっと見慣れて来たところで、『翔んで埼玉2』の地上波放送
タイムリーすぎて、宿のTVをみながら爆笑してた https://t.co/ikd9lG9ueG pic.twitter.com/K8txOpevpE
タイムリーにもほどがある。
「風が吹けばすぐ止まる湖西線」「野洲」(湖の上に掘っ立て小屋が建っているところが映し出される)など、つい昨日今日で味わった”滋賀感”みたいなのがびしばし飛んできて、ひとりでお腹を抱えて笑ってた。
さて、窓の外はあいかわらずの降雪。
あしたはどうなるかなー。
入浴、就寝。
おやすみなさい。
おわりに
数年前、実家の母と話しているときに「比叡山に行ってみたいんだよねー」とポロっと言ったら、「お父さんが昔、比叡山に行ってみたいと言ってたことがある」と返って来たことがあった。
40年前に亡くなった父、そんなこと言ってたのか…。
お父さん、行って来たよ。
いいところだったよ。
本日の旅の出納帳
滋賀3泊5日の旅の出費、2日目の記録。
近江今津駅→比叡山坂本駅(JR) | 770円 |
比叡山ケーブル往復 | 1,660円 |
比叡山延暦寺巡拝券 | 1,000円 |
比叡の彩(延暦寺会館) | 620円 |
きなこ豆(延暦寺会館) | 540円 |
坂本比叡山口駅→石山寺駅(京阪坂本石山線) | 330円 |
石山寺巡拝券 | 600円 |
石餅セット(叶匠壽庵) | 350円 |
たばしる、寺辺もち(茶丈藤村) | 972円 |
石山寺駅→彦根駅(京阪坂本石山線、JR) | 1,030円 |
夕食(居酒屋半三) | 4,173円 |
2泊朝食付き(東横INN彦根駅東口) | 13,518円 |
24,591円 |